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山﨑修平 小説『テーゲベックのきれいな香り』特別インタビュー

特別インタビュー「言葉、書かれたものだけが残っていく」

これまで詩、短歌、評論などを中心に活動していた山﨑修平さんが、2022年12月、小説デビュー作『テーゲベックのきれいな香り』(河出書房新社)を刊行した。今号は、弊誌連載「食って寝て本を読む日々」を休載し、特別インタビューを掲載する。なぜ今、小説を書いたのか。ざっくばらんに話を伺った(聞き手:山本和之、撮影:石本卓史)。

小説デビューおめでとうございます。完成した書籍を手にしての感想はいかがでしょうか。

ありがとうございます。素敵な造本にしていただいて大変感謝しています。装幀は鈴木成一さんが担当され、装画は俳優として活躍されている浅野忠信さんです。

鈴木さんが本作を読んで、「この絵を装画に使うのはいかがですか」とのご提案があり、そうしていただきました。最初は同姓同名の画家の方かと思っていました。まさか、俳優の浅野さんの作品だと知って驚きました。ここに在るのに不在な印象を受けています。背景の黒と赤、帯の橙、大胆な配色に神々しさと狂気をも備わっているように感じます。

本文を読んでいただくとわかるのですが、フォントは6種類使用しており、アミがけ(背景をグレーにしている)や絵文字も登場します。リーダビリティを意識した上で、担当編集者の尾形龍太郎さんと話し合って決めました。

また、高橋源一郎さん、島田雅彦さん、赤坂真理さん、黒瀬珂瀾(からん)さんから推薦文をいただきました。改めて感謝申し上げます。

これまで詩や短歌、評論活動をされてきました。今回、小説を書くことになった経緯をお聞かせください。

本作を書き始めたのは2021年からです。特に詩や短歌をやめて小説に移行したというわけではありません。常に頭の中に、詩とは、短歌とは、小説とは何かという問いがあります。その問いといいますか、思考を小説として書いたということです。

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