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第4回「食って寝て本を読む日々」(山﨑修平)

某月某日

演劇の方と、ことばと身体表現のワークショップをしようという打ち合わせをする。ちょうど『アルトー後期集成』(河出書房新社)のことを考えていたところだった。下北沢の気流舎にて出会った男性が、アルトーの研究をしていたらしい、ということがずっと頭のなかを離れない。新宿の「らんぶる」での打ち合わせは、打ち合わせというよりは、トークイベントのようでもあって、それはおそらくこの店の持つ演劇的な、何かから来るものかもしれない。じゃあなにが「演劇的」なんですか、と言われると困ってしまう。そういえば、別役実の研究をしていた人に「これは別役実のよう?」「あれは別役を感じますか?」と訊いているとき、その言葉の示す範囲が日によって増減する可笑しさを思う、のと似ている。

某月某日

『週刊読書人』にて一年間連載していた「文芸時評」を無事終える。毎月、五誌から六誌の文芸誌を読み、時評を書いていた。ひとまず一年間原稿を落とすことなく書けたことに、ほっとしている。部屋に積み上げられた百冊近くの文芸誌の山を見て呆然とする。しかもこの山の大部分は、文字によって構成されているのだ。この小さなバベルの塔と生活を共にするのもおしまいかと胸に込み上げるものは……、ない。

ご紹介いただいた、『建築思想図鑑』(学芸出版社)を入手し、来るべき新年のイベントに備える。「建築」の「思想」……! 気持ちが昂る。

神谷町。夏は氷屋、冬は燃料屋

某月某日

岡本啓さん、田中さとみさん、マーサ・ナカムラさんと散歩。忘年会も兼ねて。浅草の雷門の前で待ち合わせという、ベタなことをする。それでも結局、仲見世も浅草寺も行かず、ひたすら隅田川沿いを歩くことになったのが愉しい。蔵前から浅草橋、人形町を通って、日本橋髙島屋の梅園へ。クリーム白玉あんみつ旨し。

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